「急に円い脱毛ができた」「これはAGA?それとも円形脱毛症?」——同じ“抜け毛”でも、円形脱毛症とAGAは原因も進み方も対処もまったく異なります。間違った対処をしないために、両者の違いを正しく知っておくことが大切です。この記事では、円形脱毛症とAGAの見分け方、それぞれの対処、受診先の考え方を医師が解説します。
円形脱毛症とAGAは「別の病気」
まず大前提として、円形脱毛症とAGAは、まったく別のメカニズムで起こります。AGAは男性ホルモンDHTが関わる進行性の脱毛で、生え際や頭頂部が少しずつ薄くなります。一方、円形脱毛症は、自分の免疫が毛根を誤って攻撃してしまうこと(自己免疫の関与)が原因と考えられており、年齢や性別を問わず、子どもや女性にも起こります。原因が違うため、当然、対処法も異なります。
見分け方|こんな違いがあります
| 円形脱毛症 | AGA | |
|---|---|---|
| 抜け方 | 円形・楕円形に、急に抜ける | 生え際・頭頂部が少しずつ薄く |
| 境界 | 地肌がツルッと、境目がはっきり | 徐々に薄く、境目があいまい |
| 進み方 | 突然・短期間で | 年単位でゆっくり進行 |
| なりやすい人 | 年齢・性別問わず(子ども・女性も) | 主に成人男性(女性は別タイプ) |
もっとも分かりやすい違いは、「円くツルッと抜けて境目がはっきりしている(円形脱毛症)」か、「全体的にゆっくり薄くなる(AGA)」かです。
円形脱毛症の特徴をもう少し詳しく
円形脱毛症は、コインのような丸い脱毛斑が突然できるのが典型です。1か所のこともあれば、複数できることも、まれに広範囲に及ぶこともあります。眉毛やまつ毛など、頭髪以外に起こることもあります。ストレスがきっかけのひとつになることもあると考えられていますが、原因はそれだけではありません。多くは自然に回復することもありますが、繰り返したり広がったりする場合もあるため、専門的な診断が大切です。
AGAの特徴をもう少し詳しく
AGAは、思春期以降の男性に多く、生え際の後退(M字)や頭頂部の薄まり(O字)として、ゆっくり進行します。髪が細く短くなり、地肌が透けてくるのが特徴です。進行性のため、放置すると徐々に進みますが、治療によって進行を抑えることが期待できます。「丸く抜ける」のではなく「全体的に弱々しくなっていく」のがAGAのイメージです。
対処法はまったく異なる
原因が違うため、対処もまったく異なります。AGAには、DHTを抑える内服薬や発毛を促す薬が用いられます。一方、円形脱毛症は自己免疫の関与が考えられる疾患で、皮膚科で行われる治療(塗り薬や注射、症状に応じた専門的な治療など)が中心になります。AGAの薬は円形脱毛症には効きません。自己判断で市販のAGA向け製品を使っても、円形脱毛症には意味がないどころか、適切な治療が遅れてしまうこともあります。
どこに相談すればいい?
見分けの目安をお伝えしましたが、実際には自己判断が難しいケースもあります。円くツルッとした脱毛斑が急にできた場合は、まず皮膚科の受診をおすすめします(円形脱毛症は皮膚科の領域です)。一方、生え際や頭頂部がゆっくり薄くなってきた、というAGAが疑われる場合は、Clinic Villa Tokyoのようなオンライン診療で気軽に相談できます。「どちらか分からない」というときも、まず相談して、適切な方向を確認するのが安心です。
よくある質問
Q. 円形脱毛症はAGAの薬で治りますか?
いいえ。原因が異なるため、AGAの薬は円形脱毛症には効きません。皮膚科での専門的な治療が必要です。
Q. 円形脱毛症とAGAは同時に起こりますか?
それぞれ別の原因のため、両方が併存することもあります。判断に迷う場合は医師に相談しましょう。
Q. ストレスが原因ですか?
円形脱毛症はストレスがきっかけのひとつになることもありますが、原因はそれだけではありません。AGAは主にホルモンが関わります。
Q. 自分でどちらか見分けられますか?
「円くツルッと急に」なら円形脱毛症、「全体的にゆっくり」ならAGAが目安ですが、確定には診察が必要です。
Q. 子どもや女性もなりますか?
円形脱毛症は年齢・性別を問わず起こります。AGAは主に成人男性で、女性は別タイプの薄毛になります。