AGAの原因はヘアサイクルの乱れです。 通常は下記図のように 脱毛→初期成長期→成長期→退行期→休止期→脱毛 とヘアサイクルは繰り返しております。
このサイクルの期間は成長期から休止期まで約4年から7年程度と言われております。 そして、一つの毛根でのヘアサイクルは15回から20回程度繰り返されると寿命を終え、毛が生えてこなくなります。 AGAの方は、この期間が短くなり、通常の丈夫で太い毛が生えてこなくなります。そうすると、弱弱しい毛ばかり生えてくるだけでなく、そもそものサイクルの期間が2年や1年などと短くなってくるため、毛根の寿命も短くなってしまいます。死んでしまった毛根からは毛が生えてこないため、「ツルツル」の方は手遅れです。
そのため、「早めの」治療が重要となります。
では、どうしてヘアサイクルが短くなってしまうのでしょうか。 それは、悪玉ホルモンといわれる「DTH:ジヒドロテストステロン」が悪さをするためです。 DHTは毛根に分布する受容体に結合すると、初期成長期であってもすぐに退行期にヘアサイクルを促進します。 「では、そのDHTを少なくすればよいのでは?」と考えた方は正解です。それがAGAの治療となります。 DHTはテストステロンという男性ホルモンが5-α還元酵素という酵素によって還元されることで、産生されます。 そこで、この5-α還元酵素を阻害する薬である「フィナステリド(プロペシア)」や「デュタステリド(ザガーロ)」などを内服することで、DHTがそもそも産生されないようにするのです。 そうすると、正常なヘアサイクルになることで、太くて丈夫な毛が生えてくる、これがAGAが改善する仕組みです。 ミノキシジルを併用すると毛髪量が増えます。その作用機序は不明ですが、もともと降圧薬として開発されたこのミノキシジルは、毛細血管を広げ血液の流れをスムーズにするだけでなく、主に髪の毛の成長を促す毛乳頭細胞に働きかけ、ヘアサイクル(毛周期)を延長させる働きを持っています。 さらに、毛乳頭細胞からつくられる「発毛因子」の産生を促したり、毛乳頭細胞そのものを増殖させる働きもあることから、ミノキシジルは発毛を促す成分として位置づけられています。